チェーンスライダーの交換
エンジン、キャブ等に特に問題は無いように思えるNSRだったが、走行していて少し気になったのが、走行中、常にチキチキ、カチカチと音がする事です。エンジンからではなくおそらくチェーン回りの様です。間違いなくスイングアームとチェーンが干渉して鳴っている音だと思うのですが、チェーンのたるみも基準値で問題ありません。
チェーンスライダーからチェーンを浮かせてみると・・・。
写真は外した後ですが、スライダーとチェーンの接地している部分だけが、摩耗して穴が開いていました。その開いた穴から覗いていたスイングアームの溶接部分とチェーンが干渉して音が発生していたようです。
スイングアームも僅かに削れてしまっています。(スイングアームの形状と溶接部分の盛り上がりの為、スライダーをわずかに押し上げている構造上の問題もある様な気がする・・・。)
ここで当時、NSRを所有していなかった私でも知っていた、数年前に起きたNSRのチェーンスライダー騒動を思い出しました。
その騒動を簡単に説明すると・・・。
当時から既に旧車の域に入っていた2サイクルレプリカ車達・・・。NSRもその類にもれず機能部品の欠品、廃盤が数多くありました。そんな中、ホンダがいきなり『NSRの部品を再生産します!』とアナウンスしたのです。その第一弾の象徴的な部品がチェーンスライダーでした。(細かいとこ間違ってたらスミマセン💦。ガンマユーザーだったもので・・・。)
チェーンスライダーは地味だが無いと走行出来ない重要な部品、待ち焦がれていたNSRユーザーは数多く、当時のホンダの発表に皆、狂気したものでした。
しかしながら当初、一時的な再生産とされていたために、一部の心無い人間による買い占め、転売が横行してしまったのです。
さらには粗悪な中華製部品も出回る状況になり、その二年後くらいにようやくホンダは継続的に再生産をするようになり、現在では普通に買うことが出来ました。因みに値段は¥5,562でした。
さて前置きが長くなりましたが、いよいよ交換作業です。
チェーンをめくり10mmのボルトを外す。ソケットの方が作業し易い。
ステップを外し、プラスチック製のジェネレータカバーも外す。チェーンもダルダルに緩ませておく。
そして写真の17mmのボルト(エンジンマウントボルト?)を外す。
先端はスイングアームのポッチにはまっているだけなので、外す時は強引に引っ張っても多分外れる。再利用はしないので。
部品を比べてみる。右が新品。左の外した部品とは形状が微妙に異なる・・というよりも材質そのものが全然違う!純正はほとんどプラスチックの様な固さなのに対し、外した部品はいかにもゴム製のブヨブヨした素材・・・これが例の中華製かぁ!?
装着は結構、手こずりました。本当はタイヤ、スイングアームを外して交換するのかも知れませんが・・・。
最初にスライダーの下側のベロからスイングアームのポッチに引っ掛けるのですが、そこが一番苦労します。狭い隙間から手を入れドライバーなどでグリグリしながらねじ込みます。でもソコさえはまってしまえば後は簡単でした。
外した中華製スライダーを眺めながらふと・・・前の所有者の方も先のスライダー騒動に巻き込まれたのかしら・・・? まあ、今となっては知る由もありませんが・・・。